フィットネス疲労理論 実践例

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フィットネス疲労理論 実践例

2020/05/13

クロスカントリースキー選手におけるフィットネス疲労理論の活用

フィットネス疲労理論を用いたパフォーマンス評価

本日は、「フィットネス-疲労理論」を用いたトレーニング計画法についてお伝えいたします。
弊社代表である長谷川裕が提唱しております、フィットネス-疲労理論の数学的モデルを用いることで、パフォーマンスを正確に予想できる可能性があります。実際にトレーニングデータを元に計算した数値と実際のパフォーマンスをご紹介いたします。詳しい計算式や理論の元になっている資料は以下のURLからご覧ください。
http://sandcplanning.com/solution/category/detail/?cd=20

その上で今回は、某大学スキー部におけるトレーニングデータを元にフィットネス-疲労モデルをグラフ化したものを紹介いたします。怪我などで離脱することなくトレーニングとフィットネステストを継続的に行えた3名の選手のデータを元にご紹介いたします。

普段のトレーニングではランニングやウエイトトレーニングを行っており、トレーニング負荷(TRIMP)は心拍数、速度、RPE、気温等から計算しています。
上記のトレーニング負荷を元にフィットネス要素と疲労要素およびパフォーマンス(準備性)を算出しております。
実際のパフォーマンスをチェックするためのコンディショニングテストには、週2回のCMJにおける跳躍高を採用しております。グラフでは1週目を基準として3名の平均跳躍高を変化率(%)として表しています。

1つ目のグラフは棒グラフで示したトレーニング負荷(TRIMP)を元に計算されたフィットネスと疲労とパフォーマンスの変化をプロットしたものです。週ごとに数値を平均し簡略化しています。



2つ目のグラフは棒グラフのトレーニング負荷(TRIMP)と実際に行ったCMJにおける跳躍高の変化率(%)を折れ線グラフで表しています。全てではないですが、トレーニング負荷が高まると跳躍高は停滞、もしくは低下します。逆にトレーニング負荷が高い状態からトレーニング負荷を下げていくと跳躍高が増加する傾向が見てとれます。垂直跳びは下肢の爆発的なパワーを見るとともに疲労の指標としても使用することができるため(http://sandcplanning.com/news/category/detail/?cd=110)、トレーニング負荷と併せてみることで選手に対してどのような負荷がかかっているのか判別することができます。



3つ目のグラフはフィットネス-疲労モデルを元に算出したパフォーマンス(準備性)の予測値と 実際のCMJにおける跳躍高の変化率(%) を表したものです。グラフを見てもわかる通り、算出したパフォーマンスの予測値と実際のCMJの跳躍高の変化率は非常に似た傾向を示しています。特にパフォーマンスと跳躍高の相関係数はr^2=0.85程で高い相関を示しています。この結果からフィットネス-疲労モデルを用いることで選手のパフォーマンスやコンディションを予測できる可能性があることがわかりました。



今回ご紹介したフィットネス-疲労モデルを用いることで、選手のパフォーマンスやコンディションをより正確に管理できるようになるかもしれません。しかし、実際のパフォーマンスを測定しなければ、フィットネス-疲労モデルで予測したパフォーマンスが正しいのかどうかもわかりません。できるだけ短い周期でパフォーマンステスト(CMJやスプリント、リバウンドジャンプなど)が必要不可欠であり、2カ月、3か月ごとの測定のみでは正確なパフォーマンスを測定できない可能性が出てきます。
正確なトレーニング負荷をより正確に把握するためには機器(ハートレートモニター、GPSなど)が必要となってきます。また、選手の疲労度をさらにより客観的に知るには自律神経系の機能を調べる心拍変動(HRV)などの生理学的指標も必要となります。

パフォーマンスを予測することで、今まで以上にピリオダイゼーションが組みやく、より正確なピーキングへとつながります。
弊社ではトレーニング時のデータを選手のストレスなく測定できる機器を多数取り扱っております。
是非ご覧ください。
http://sandcplanning.com/solution/

 

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齋藤朋弥
エスアンドシー株式会社 営業・企画
JATI-ATI、スポーツパフォーマンス分析スペシャリスト、NSCA-CSCS
龍谷大学スキー部トレーニングコーチ

 

長谷川裕
龍谷大学スポーツサイエンスコース教授
スポーツパフォーマンス分析協会会長
日本トレーニング指導者協会名誉会長
エスアンドシー株式会社代表

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